人ってさまざま。本当にいろんな人がいる。暗い表情をした人もいれば、明るい表情の人もいる。同じ人でも、さっきまで、考え込んでいたのに、おや、もう心の霧は晴れたのかしらと思うことはよくある。こと他人に関しては、見てのとおり、平静に見ておれるのに、自分に関しては、ああいやだ、面倒だ、苦しい、悔しい、不安だ、など、苦渋の感情はいく通りもあり、それを感じてしまうとなかなかそれを払拭できないで、心に溜め込んでしまうといういつものパターンを繰り返している人は多いようだ。かく言う私もその一人だった!?
心の下り坂って、いつでも待ち受けているようだ。たとえば、野球の選手だと、打てないとき、だろう。
先日、イチローと松坂の最初の対決のあと、イチローは、全く松坂を打てなかったのだが、インタビューでの彼のコメントを聞いて、彼の表情が意外に明るいのに気づいた。「二人の対決、それはもう、この機会をもてたこと自体、自分にとっては、特別なことだったのだが、」、とこの対決に対する、彼の期待の大きさをこめた言葉を言い、「しかし、自分がこんな状態ではね」となんと、自分を、ちょっと笑いもののようにして「まな板」において見せた、のである。さすが、イチロー、大人の対応!と嬉しくなったのは、私だけであろうか?
こんなとき、むきになってしまうと、「相手が、直球で勝負しなかった」とか何とか、言って相手のせいにしたり、「自分のコンディションが悪かった」とか悔しさのあまり、無言で通したりとかでやると、間違いなく、下り坂に入っていくのであろう。
その後、まな板でしっかり眺めたせいもあろうか、イチローの打率は、みるみる上がってきている。
まじめなイチローを見てきたので、その幅の広さと余裕が、今後どう進展していくか、楽しみでもある。
人には、変わる転機ってある、ようだ。野球やサッカーなどのスポーツ選手は、特に、自分の現実の姿を見据え、常にそれと対応していかなければ、進歩は望めない。
また、現実の結果がそれほど目立って感じられない、我々にでも、なんとなく周りとうまくいかない、仕事がおもしろくないというときは転機なのかもしれない。
この転機を迎えて、自分をまな板に置いてみる。その後の料理法は、仕事や、周りの人たちとどうしてうまくいかないのか、焦りがないか、変にこだわっていないか、思い込みがないかなど、自分にしっかり問うことで、だんだん見えてくるようである。但しすぐに無理なときは、このプロセスを何度もやってみることをお勧めする。もちろんカウンセリングはこの手法をもっとクリアに、確実にやっていく作業なので、必要な方はどうぞ!
イチローの対応をはじめ、ヒントは周りによく転がっているものだ。
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