私たちの人生は、様々な情報のフィールドのもとにおかれています。その中のどんな選択肢をとるかで、私たち自身の個性ある生き方が生まれてくるのです。 どうしたらこのことが確かめられるのでしょうか? そのためには、冷静に、今までのきた道を振り返り、自分の力や歩き方の特徴を知ること、また今という時期にさしかかって、自分の求めているものを感じる感性を磨き、そしてそれらを受け止め、今後にどう活かしていけばよいかを自分自身に問う作業が必要でしょう。 まず、今という時代のフィールドのなかで、様々な思いがわき起こります。各人各様おかれた環境や人間関係の場での状況から感じる思い、ここでさまざまな悩みが起こります。 カウンセリングは、まさにこのそれぞれの問題の受け止め方、悩み方をしっかり受けとめることから始まります。またカウンセラーには、この課題をしっかり捉える感性とそれを的確に表現する表現力が問われます。 「私とあなた」という間柄を結び付けているもの、それは、同じ社会と時代を生きているもの同士のもつ問題であり、その根っこは同じだということです。それぞれの生まれや個性は違うけれども、社会の持つ問題や課題には意識しようがしまいが、生きている限り何らかの形で組み込まれ、関わっているに違いありません。 カウンセラーは、自分が学び、求めることによって得た課題を受け止める力を発揮し、クライエントは、自分の課題に取り組み、課題を受け止める力を増し、生きる力としての自覚にしていくことが求められているのではないでしょうか。 カウンセラーとクライエントは、問題に対する関心の共有を出発点とし、問題の解決に向けてお互いの学びを深め、真摯に関わり合うことによって、お互いの存在を高めあうことにもなっていくでしょう。 私達の課題は、自分の可能性を活用し、目標達成の方法を学ぶことです。確かにひとりひとりの可能性は限りあるものと考えられがちですが、それは、決して真実に近い考えとは言えず、実現可能性の道は、どこで自分自身の限界を設けているのかを知りそれを乗り越えようとするひとりひとりの勇気に託されているのではないでしょうか。
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