それには、私たちの心がどんな役に立っているのか、を考えてみるとわかります。
心はいろいろな仕事をしています。
まず感じること、考えること、判断すること、
行動すること、など、私たちの在り方の基本となる働きを心がしているようです。
この働きが、自分にとって良いと思われると私たちは、幸せ、と感じるようです。
この反対のときもあります。
人生の諸問題でなかなか解決が見いだせない時です。これが、心理に関わる様々な問題で、日々私たちを悩まし続けるものでもあります。
そして、この悩みは、十人十色です。ところが、問題と感じられることは、実は、
その問題を解く力が、私たちには備わっているということでもあるのです。つまり、様々な悩みや問題は、精神的な課題として私たちの成長のためにあるのだとも考えられます。
というのも、その悩みを解決し、先を進んでいる人がいるということ、心理カウンセリングは、このことから、その心の持ち方、状態に多くのヒントを得て伝えられた知識を深い理解を持って、自分のものにしていく学びなのです。
このためには自分を知ることが求められます。
私たちの心は決して他の人々と切り離されたものではないし、『生きる』という共通点があり、共通な感じ方、考え方が備わっているのです。
ただ、人の多様性の中でこの共通する『生きる』という価値が多方面に分かれ、それぞれの生命を持った個性として存在しているが、深いところでつながっているということでしょう。
そして、自分がそのどこかに位置しており、大事にしている価値がそれを表し、心を動かしている、ということに気づくでしょう。
あなたにとってその価値とは?いったいどんな心の動きになるのでしょう?
そのことが自己探求であり、自分の問題の解決につながる心理の学びとなっていきそうです。
古来より伝えられてきた、先人の教え、エニアグラムは、今世紀半ばこの価値観による心理を性格論としてまとめられた心理学であり、ユングの「タイプ論」も人の無意識の心理についての大いに示唆を与えてくれる心理学といえるでしょう。
最近は、様々な心の悩みが問題になってきています。
というのも、私たち自身の基盤においての結びつきが少しずつ希薄になっていて、自分自身の『生きる』という価値も同時に感じにくくなってきているからでしょうか。
もう一度、自分の持つ方向性としての『生きる』価値を再考し、その価値を少しずつでも自己実現することが求められているような時代になってきているのではないでしょうか。
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